値引き施策の悪人論と店頭の現実
増税の影響もあり、情報番組などでも
価格表示や値引き、ポイントの導入などの話題が取り上げられています。
そこで、簡単に値引きやポイントプレゼントに関する原則原理を紹介します。
基本的に、このブログでも何度かお伝えしていた印象価格(内的参照価格)=顧客の価値認識なんですが
値引きや、クーポン・キャッシュバック・SALEを繰り返せば繰り返す程
顧客の内的参照価格が下がり、いつしか実際の価格以上に低い印象価格(内的参照価格)が設定されます!
幾ら値引いても、クーポンを付けても、キャッシュバックしても
結局
『実際の価格や商品サービスに関して、幾ら値引いても次第に割高のイメージをもたれてしまいます。』
こうなるとプロパーでの販売が非常に困難になります。
基本的に値引額の大きなSALEやサービスを、低頻度で行う際には
内的参照価格を下げる影響は少ないのですが
高頻度で値引額の小さな施策を行うと、最も内的参照価格が下げる影響が強いことが明らかになっています。
本来、プロパー価格が見えなくなったり、次の値引きのタイミングや施策の内容が予測出来る状況を、
出来るだけ起こさないようにすることが、値引きの施策に対しては非常に重要なんですが、
この辺りの知見に関しては、もう業界は麻痺してしまってるんでしょうね・・・・・・
最悪の方向に向かっているように思えます。
値引きの施策に関しては、もう全くWOW感も新鮮さやお得感・納得感も持てなくなってしまってますよね。
昨日、某経済情報番組で百貨店のMD担当者が新しいポイント機能を導入するにあったて
『新たなポイント機能を設置することで、百貨店側の思惑通りに集客し、店内でポイント機能によって顧客をコントロールしていきたい』的な話をTVのインタビューで話していたんですが
仮にもMD担当者がコンシューマーの見ているTVに向かって話す内容じゃーないなーという
驚きと共に、やっぱり麻痺した状況であるということを強く実感しました。
一昔前は 営業担当者が売れない責任を商品に押し付ける
『商品悪人論』を良く耳にしていましたが
今はまるで
値引きのタイミングや方法の善し悪しが、それにあたるようで
『値引き施策悪人論』を耳にすることばかりです。
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深澤 智浩
株式会社深澤企画 代表取締役
パリをはじめとする海外の店舗や、国内のSM/GMSでのあらゆる店舗・売場の店舗デザイン・店頭戦略を学び、独立。現在は、小売業からの依頼に加え、メーカーからの販促提案・ショールーム展開の相談など様々な業種・業態の店頭戦略(SP・VMD・設計・店頭ブランディング)を、年間100件以上行っている。近年では、ショッピングモールやチェーンストアからの依頼も多くなっている。また、「商業界」の教育講座、デザイン専門学校、企業研修でも指導にあたり、人材育成にも注力している。