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伝説のVMDメルマガ 「包装資材だって凄いんですからを熱く語る男」

実は今夜から「愛あるブランディングを語る店」PAL’S Barを開店させます。

お店には表立って活躍するカッコイイ業界人は集まらないのですが、

日々、夜を徹してお客様の為に活躍される汗と涙の似合う小売関係を私のお店に招いて、

一杯やりながらお仕事についてブ熱―――――お話を伺い、

ちょっとだけ皆さんにその内容をお届けするという趣向のメールマガジンです。

もし50回続いたら、リアルに何所かにPAL’S Barを作る野望もありますので

是非、職場内、お友達、親類縁者にご紹介頂き、ブログ全盛期の世の中で

ひっそりと続けていけるようにしたいと思いますので、

宜しくお願い致します。

では、時間ですので、そろそろ開店します。

GUEST NO.1 「包装資材だって凄いんですからを熱く語る男」

バタンッ(ドアの開く音)

「いらっしゃいませ」(私、以下Fで)

「こんばんは、深澤さんご無沙汰です」(岩間、以下I)

「どうも、いらっしゃい岩間さん」

<ゲストの紹介>

岩間さんは包装資材の企画製作会社、東京アート株式会社にお勤めの企画営業マンです。

F:「いやーいらっしゃいませ。なんか最近企画のお願いから、お店の来店要請まで、

お願い事ばかりでスイマセン」

I:「ホントですよ、今日はオゴリですからね!!」

F:「了解です」

私と岩間さんの出会いは9年前に遡ります。当時、伊勢丹の某ショップ店長をやっていた

私の店のお客様として来店されていたのが始まりです。

しかし、私が本社勤務になり、気づくと岩間さんは本社に営業活動に来ていて・・・

という馴れ初めがありました。

F:「あれって営業活動の作戦だったんですか?なんか見たことある人が本社に来て

座っているからビックリしましたよ」

I:「アレは純粋に、あのお店のショッパーを作りたかったんですよ、全然作戦じゃないですよ」

F:「そうなんですね。信じます。とりあえず何をお飲みになりますか?」

I:「じゃ、シンガポールスリングスをお願いします。学生の頃、

村上龍の小説『シンガポールスリングス』を読んで、その舞台で、

カクテルの発祥となったラッフルズホテルのTIFFIN ROOM で飲んだ・・・・・

そんなちょっとカッコいい思い出があるので・・・・今では毎日ウーロンハイですけどね。

今となっては味もよく覚えていませんけど、お願いします」

F:「了解です。ところで岩間さん、包装資材って言っても色々あると思うんですが、

どんな商品があって、どんなことしてるんですか?」

I:「今更聞きますか?えっとですね、主にアパレル専門店、化粧品、宝飾、靴、鞄など

“ブランド”を展開する小売店向けの紙袋、フィルムパッケージ、ギフトボックス、リボン、

シールなどの包装資材。

国内外に自社の生産・物流拠点を有し、企画提案から生産、

各店配送まで手掛ける総合包装資材メーカー、

と言うよりアパレルファッション業界の販促屋です。」

F:「販促屋ですか・・・・?でも、岩間さんのところって結構こだわりの強い商品多いですよね」

I:「そうですね。まぁ袋屋ではありますが、ただの袋屋ではありませんよ!!

僕らは、活字、電波に続く第三の広告としてのパッケージをあくまで備品消耗品ではなく、

広告として広めていきたいという熱い想いを感じる仕事をしていますからね。

何度でも何度でも、使いたくなる袋。また、それによりロゴの露出度を上げて

ブランドの価値も高める、そんなご提案でお役に立ちたいとッ!!

深澤さん聞いてます?後、おかわり下さい」

F:「聞いてますよッ!!!僕だって袋の重要性については前から話していますし、

街で綺麗なヒトとか必ずショッパー持ってたら、何所で買ってるんだろうって

目で追っちゃいますモン。重要ですよ!!その店に行けば、あんな人がいるんだって!!!」

「でも、割と資材系ってマル投げできること多いでしょ、課題というか、

どんなところに企画のポイントってあるの?あと2杯目からは有料ですから」

I:「じゃーーウーロンハイで。」

「企画に対しての課題はありますよ、例えばブランドにより、ブランド自体の長期的なコンセプトや

そのシーズンの短期的なテーマは多様に存在し、それをどう見せるかは周知の課題ですから。

例えば“高級感”を紙袋で表現する場合、1)紙厚をあげる、2)濃色の印刷、3)金銀の浮出箔押

4)表面のマット加工、5)紐のホットメルト止め(ヴィトンやグッチの紙袋と同仕様)など、

その高級感を表現するディテールは幾つもあります。

それをブランド的な観点と、そしてご予算的な観点からご提案するのが私たちの仕事ですから。

あとサイズなども単にカッコいい、カワイイだけじゃないご提案をしますよ。

例えば都会の百貨店やファッションビルは電車社会なので袋のサイズは横長で

紐は肩から掛けられるように長め、何軒かの専門店をハシゴし次から次へ

ショッパーを肩に掛けて行く欧州型。

また郊外型SCはCKやラルフローレンの袋が縦長であるように米国型、

車社会では袋は手持ちの縦長。

そのようにマーケットに合わせても求める機能性が異なるので、

ブランドコンセプト×機能性×コスト=ショッパーって感じで、考えてるんですよ!!

聞いてる??深澤さん、おいッ」

F:「アッ、聞いてますよ それから・・・・何か公式出てきたんですけど、

それってもう少しなんか例に出してくださいよ」

I:「私が担当している得意先で化粧品の「ANNA SUI」があるんですが、

この紙袋は女性が何度でも再利用したい紙袋の代名詞です。

所謂“アナスイサイズ”というものがあり、1)OLが昼休み持っていくにちょうどいい、

2)財布と携帯、ポーチ、タオルが入る、3)電車で座ったときちょうど膝の上に納まる、

など、W180×D100×H250mmは黄金サイズです。

デザインも勿論かわいい伝説のショッパーですから。伝説のショッパーを作る公式ですよ!!」

F:「そんな事まで言っちゃっていいの?大丈夫?酔ってない??ウコンの力あるけど」

「呼んでおいてなんですが、今日開店日なので もうそろそろいいですかね?

帰っていただいても?あとVMDメルマガなのでVMD的に最後に纏めてくださいね」

I:「もう、帰らされるの?絶対この店つぶれるよ!! もう、じゃー最後にVMD的に

観るとこれからもっと高級化していくと思いますよ。でも、

対極でエコ的に観ると簡素化していくと思います。その2つによる二極化の中で

僕らはどう生きていくか?

正直、環境問題とは相反するものだけど、ブランドがある限り高級パッケージが

消えることは無いと思いますよ。逆にそちらの方は“簡単には捨てられない

”パッケージ、再利用可能なパッケージの方向に進んでいるし、

また、量販などの流通袋はゴミや環境問題により縮小の方向に進んでいるのね。

僕らはあくまでブランドの中で生きているから、パッケージはブランドが

直接お客様と接する事の出来るツールなんですよ。その重要性はもっと見直されていいはずですし

CM1本の費用で紙袋は1,000,000人に渡す事が出来るの。

また、以前弊社はフェイスカバーを誕生させたけど、当時、弊社の営業マンが

ある得意先の担当者に呼ばれ「試着時に商品に付くファンデーションを

何とかしてくれない・・・!?」との課題に取り組み、その問題を解決する事により

その後、同商品の大ヒットに繋がったの。

その“SOLUTION”によって生まれる商品と信頼関係はとても大切だと思うんだよね。

今後、僕らは、さらに袋屋・備品屋を脱して、アパレルの販促屋としての役割を

より担っていきたいと思っているからね。おいッ?深澤?深澤、聞いてる?」

F:「岩間さんカッコよすぎ!!なんか開店日からこんな熱い人が来て、こんないい話されたら、

嫉妬しますよ、ホント」

「私、女性ならチョッと惚れてたもん、多分・・・・・

袋の話でうっとりさせられちゃいましたよ。」

「でも、ありがとうございました、またプライベートで・・・あと例の企画お願いしますよ、

これからもアパレルWEB VMDのチーム深澤班に貢献していただかないとね。」

I:「了解デーーース、ごちそうさま」

ということで、熱い包装資材企画営業マン岩間さんはお帰りになりました。

僕もこの話を聞いて、お店にあるもの、お店にあること、その全てがお客様との

コミュニケーションツールであることを再確認できました。

そして彼の作る提案してくれるモノはあくまで資材ではなく、

コミュニケーションの方法を提案してくれるのだと信じられる訳です。

これって愛ですよね。あーーー今日も愛のある話が聞けてよかった。

ではまた来月の営業日まで  ありがとうございました。

PS PAL’S Barは読者はもとより、来店希望の方も募集しております。

是非 熱く語りたい方いらっしゃいましたらメールでご連絡くださいね。

深澤智浩

深澤 智浩

株式会社深澤企画 代表取締役

パリをはじめとする海外の店舗や、国内のSM/GMSでのあらゆる店舗・売場の店舗デザイン・店頭戦略を学び、独立。現在は、小売業からの依頼に加え、メーカーからの販促提案・ショールーム展開の相談など様々な業種・業態の店頭戦略(SP・VMD・設計・店頭ブランディング)を、年間100件以上行っている。近年では、ショッピングモールやチェーンストアからの依頼も多くなっている。また、「商業界」の教育講座、デザイン専門学校、企業研修でも指導にあたり、人材育成にも注力している。