みなさんこんにちは
今回も『VMD用語について語る』でお楽しみ下さい。
今回はフォールデッド=たたみ陳列のお話です。
フォールデッドは商品を美しく見せるための基本陳列一つです。
私は個人的にこのフォールデッド陳列がハンギング陳列より好きなんです。
ハンギングは商品を手にする者にとってはフォールデッドより見やすく買い易い状態だと思いますが、
フォールデッド(たたみ)には売場を落ち着かせ、
静の空間を演出してくれる温かみがあるように思えてならないのです。
ではまずフォールデッドに関しての基本的なポイントをいくつかご紹介します。
■フォールデッド・たたみ幅・大きさについて
商品のたたみ幅の基本は25cmから28cm縦の長さは35cmから38cmが基本です。
これはたたみの商品を陳列する什器のサイズから考えられた数値で決して決まりごとではありません。
単純に1200mm幅の什器に幅25cmの商品を横に4枚陳列すると空間的にも
商品の見え方も一番美しく見えるという考えの中から提案してみました。
■ 陳列順序について
陳列の順序は縦に積まれた商品に関しては、色展開なら薄い淡いから濃い深い色へのグラデェーション。
サイズ展開なら、必ず小さいサイズが上、大きいサイズが下に陳列します。
また横に並べられた商品に関しては向かって左から右に陳列する方法が基本でしょう。
なぜなら人間がモノを読んだり文章を確認する際は必ず左から右に向かってモノを認識しようとしますから
基本的にはこの方法が良いと考えます。
*但し売場の動線の方向や什器の配置によっては例外も多数あります。
■陳列量について
陳列量に関しては陳列する什器の縦幅の3分の2程度の量がベストだと考えます。
これ以上陳列してしまえば商品の上面からデザインの確認が出来なくなり、
お客様の買いづらい原因となってしまうケースがあるからです。
さて現在のマーケットではユニクロやGAPをはじめ多くのブランドが、
フォールデッド・たたみ陳列、置きの陳列方法を
その品揃えとボリューム感の訴求によって他店との違いや存在感を明確に表す手段にしています。
勿論、美しいと思うこともありますが最近はチョッと飽きましたね。
何所に行っても量感とカラー展開は迫力があるようにも思えますし、
言葉は悪いのですが色の固体が沢山並んでいるようにしか見えなくなってきた部分もあります。
皆さんはどうですか?まだカラーと量感に訴える陳列だけを続けていきますか?
もっと他の手法にもチャレンジしてもいいと思いませんか?
では何をどうすればいいか?という話になります。
★フォールデッドのテクニックについて
このブログを読んで下さっている皆さんが扱っている商品の特性も沢山あるでしょうし、
一概に「これです!」とは言えないのですが、たたみ、置きの商品にも
もっとPR的な演出が必要だと思うのです。
「たたんである商品もコーディネート提案ができませんか? 着せ込んだり組み合わせたりしましょうよ!」
「商品の一山がすべて単色のサイズ展開になっていませんか? たたみにも指し色を入れましょうよ!」
『T-シャツとニットが同じ幅で見せていませんか? たたみ幅のサイズ工夫しましょうよ。」
など、ちょっと考えてみるだけで今ある商品の良さや存在感を少しだけ変えて見せることが出来ます。
以前もお話ししたことがあるかもしれませんが、日本人の持っている素晴らしい感覚のひとつに、
ほんの小さな違いを見つけることで、どんどんイメージを膨らませていける、
物事への補足能力があります。
小さな違いを積み上げる、
小さな提案を幾つか組み合わせて表現していくことで
日本のお客様には他店との大きな違いとして伝わる効果が期待できるということです。
ただ、やりすぎには本当に注意してください。
たたみや置きの陳列方法は単純に商品を積み上げていくことに集中してしまいがちですが
少しだけ他店より商品の良さを主張してみる方法を考えてみませんか?
必ずお客様にとって価値有る情報として伝わるはずです。
是非、お試し下さい。
写真はSTUSSY JAPANでの事例です。
VMDの意味やVP・PP・IPに関しては
以下に詳しく解説しています。
最後までありがとうございました。
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深澤 智浩
株式会社深澤企画 代表取締役
パリをはじめとする海外の店舗や、国内のSM/GMSでのあらゆる店舗・売場の店舗デザイン・店頭戦略を学び、独立。現在は、小売業からの依頼に加え、メーカーからの販促提案・ショールーム展開の相談など様々な業種・業態の店頭戦略(SP・VMD・設計・店頭ブランディング)を、年間100件以上行っている。近年では、ショッピングモールやチェーンストアからの依頼も多くなっている。また、「商業界」の教育講座、デザイン専門学校、企業研修でも指導にあたり、人材育成にも注力している。